最近、インターナショナルスクールが増えてきているそうです。
インターナショナルスクールの幼稚園で英語で生活させれば、子供の可能性が大きく広がると期待してしまいますよね。
私の友人も、2歳になる子供をインターナショナルスクールの幼稚園に入れるかどうか、悩んでいます。
インターナショナルスクールの幼稚園なら、英語の発音も自然な形で吸収するだろうし、体で覚えるから忘れないでしょう?
でも、送り迎え、費用、進学先など、わからないことがたくさんあって、私は彼女と一緒に調べてみることにしました。
すると、インターナショナルスクールの幼稚園に通わせて後悔したという声が結構あったのです。
後悔することになっては元も子もありませんよね。もちろんメリットもたくさんありますが、後悔しないための情報をお伝えします。
インターナショナルスクールで後悔した幼稚園!理由は?
ネット上では、インターナショナルスクールの幼稚園に通わせて後悔した、という声が少なからずあります。
それはなぜでしょうか?小さいうちから生活の中で英語になじめるはずなのにどうして後悔するのでしょうか?それを考えていきたいと思います。
インターナショナルスクールの幼稚園はどう違うの?
小学校に上がる前の子供たちが行くところは、日本では、保育園、幼稚園、こども園があります。私たちはみんな、ここでどんなことをするのかイメージできますよね。
お歌を歌ったり、お絵描きをしたり、お昼寝をしたりね。
それまで、お家でお父さんやお母さんとしか接していなかった子供が、初めて、同年代の子供たちや、家族以外の大人と接する場所です。
子供にとっては大きな変化ですが、それを経験することで成長していきますよね。
インターナショナルスクールの幼稚園では英語でそれらの活動をします。
ご挨拶や先生の指示もすべて英語で行われます。登園してから園をでるまでずっと、英語で過ごします。
英語塾や英会話学校との違いは、それらが「英語を学ぶ」のに対して、インターナショナルスクールの幼稚園では「英語で学ぶ」ということです。
そんな小さな子が、いきなり英語で過ごすなんて、大丈夫かしら…?
まだ、小さいがゆえに適応能力が高く、たいていの子供はそれほど問題なく慣れていくようですよ。
また、幼稚園によっては、先生もお友達も外国の人がたくさんいて、国際色豊かなところもあります。
インターナショナルスクールの幼稚園で後悔する点は?
インターナショナルスクールの幼稚園で後悔することが多い点を紹介していきますね!
インターナショナルスクールの幼稚園ではかなり高い授業料や施設費が求められます。
保育園、幼稚園、こども園では保育無償化により、利用費が無料になり、保護者の負担が少なくなりました。
ただし、入園料や送迎費、給食費などは保護者の負担となっています。
しかし、インターナショナルスクールの幼稚園は認可外保育施設となり無償化の対象外のためかなりの出費となります。
それぞれの園で違いはありますが、およその目安としての数字(税込み)を挙げてみると次のようになります。
保育園 | 幼稚園 | インターナショナルスクール | |
初年度合計 | 約30万円 | 約70万円 | 約180万円 |
なんと、インターナショナルスクールの幼稚園は初年度だけでもほかの幼稚園の2.5倍もの費用が必要になるのです。
次年度以降も同様です。それだけの資金力が親になければ、途中で転園ということになってしまいます。それは、子供にとってかわいそうですよね。
また、兄弟がいる場合、僕も、私もと下の子に言われたら、親はダメとは言いにくいですよね。
親にそれだけの資金力があれば問題はないのですが、この数字を見て考えるようなら、あまり無理をしない方がいいかと思います。
お金を使ってしまってから後悔することだけは避けたいですよね。
保育園は親が働いているため子供を預かってもらうところであり、管轄は厚労省です。そのため保育の時間は長めです。
幼稚園は管轄が文部省です。夏休みなどのお休みが長めで親の参加を求められることもあります。
インターナショナルスクールの幼稚園では、お弁当が必要なところも多く、クリスマス会などの行事も多数あります。それに親が参加を求められることも多いです。
親に時間的な余裕がないと、インターナショナルの幼稚園は厳しいかもしれません。
一番大きな問題は、親が期待していたはずの英語力です。子供は吸収するのが早い分、忘れてしまうのも早いものです。
普通の日本の小学校に進学すると、1年生の夏休み明けにはそれまで話していた英語が急に話せなくなるといわれています。
たった数か月で普通の保育園、幼稚園から来た子たちと変わらなくなってしまうなんて、がっかりですよね。
せっかく高い授業料を2年3年払って通わせたのに…
そんな後悔をしないためには、アフタースクールで子供にあった英語環境を作ってあげる必要があります。
でも、幼稚園の時のように、英語で生活する環境はなかなか作れませんよね。学校の先生も、お友達も日本人でずっと日本語を話すんですから。
いくら英会話の教室に通っても、英語力の低下はやむを得ないと思った方がいいでしょう。
インターナショナルスクールで後悔するのはどんな親?
インターナショナルスクールには、幼稚園だけでなく小中学校、高校もあります。こちらは都市部に限られている場合がほとんどで、数は少ないです。
日本で、英語の環境の中で学べるインターナショナルスクールなのに、後悔することはあるんでしょうか?
調べてみると、小中高では幼稚園とは違った後悔する親の声がたくさんありました。
授業料が高い
幼稚園でも、日本の幼稚園や保育園と比べるとずいぶん高額な費用がかかりましたが、小中高になるとさらに高くなります。
学校によって違いはありますが、ざっくり言って授業料だけで年額200万円∼300万円(税込み)です。
そのほかにも施設費、寄付金、教材費、スクールバスの費用、海外への修学旅行の費用など、これでもかというくらいお金がかかります。
こんなにお金がかかるなんて…
小学校からインターナショナルスクールに通うとすると、大学を卒業するまでにどれくらいの費用がかかるのか、私は頭がくらくらしてしまいました。
子供を一人前に育て上げるのにかなりのお金がかかることを十分覚悟しておかなければなりません。
それだけの経済力がある親の選択肢だといっても過言ではないと思います。
無理をしてインターナショナルスクールに子供をいれても、続けられなくなって後悔する可能性があるのです。
逆に言えば、その学費を当然のように支払える親というのは、間違いなく富裕層ですから、親同士の付き合いもそれなりのものになるということです。
ランチにしても桁が違うし、送り迎えは外車とか、身につけているものはブランド品ばかりとか、ついていけないという親の声がありました。
子供が卒業するまでの費用を、余裕をもって準備できない親は後悔してしまいます。
ダブルリミテッドになる可能性がある
ダブルリミテッドというのは、英語と日本語、どちらも中途半端にしか使えない状態のことを言います。
もし、経済的、その他の理由で小学校や中学校でインターナショナルスクールを途中でやめた場合、まだまだ未熟な英語能力のまま日本の学校に通うことになります。
子供は英語がわかるつもりでいますが、その年齢としての英語能力で止まってしまうことが多いのです。その結果、将来的に英語を使いこなせるかどうかは未知数です。
また、それまで日本語の読み書きが不十分な場合、漢字や言葉の意味が分からなかったりします。
言葉が発達しないと思考力の低下という悪影響もありうるので、そうなると子供が一番かわいそうですよね。こういうことだけは避けたいですね。
子供も親も、インターナショナルスクールを選んで後悔することになるわね…
英語を身につけさせることばかりを考えている親は、まさか日本語にまで影響があるとは考えず後悔することになります。
日本の習慣になじめない
インターナショナルスクールでは自主性や個性が大切にされますが、日本の社会では協調性とか、空気を読むとか、秩序とかが重要とされる場合がありますよね。
もし、小中高の途中で日本の学校に変わったら、子供には大きな負担となります。
インターナショナルスクールで我先に自分の意見を発表して先生に認めてもらおうとしていたのに、日本の学校に入った途端、グループでの意見を求められます。
正直に反対意見を言っても、ストレートな言い方だといじめていると思われるかもしれません。
もし途中で日本の学校に転校することになったら、どうしても浮いてしまうのです。なかなか友達ができないかもしれません。
また、掃除や当番など、日本の学校では当たり前ですが、なぜそんなことをしなければいけないのか、だれも答えてくれないと思います。
時々ブラック校則が話題になりますが、どうしてそんな校則に従わなければいけないのか、きっと訳が分からなくてフラストレーションがたまるでしょう。
正直な意見を言うと反抗しているようにとられてしまうこともあります。
子供にとってはなぜ冷たい目で見られるのか理解できないでしょう。先生や親のフォローが必須だと思います。
折角子供が個性をいかしてのびのび育っているのにと後悔することにつながります。
進学先の制限がある
インターナショナルスクールは一条校として認められていない学校がほとんどです。
一条校というのは、文科省が定めた日本のカリキュラムを行う、日本の一般的な学校のことです。
インターナショナルスクールの中等部を卒業しても、日本の中学校を卒業したとは認められないため、普通の高校の受験資格がありません。
大学の場合は帰国子女枠など、大学によって入試がいろいろあるので、受験しやすくなってきました。
中には日本の高校のカリキュラムを導入しているので、卒業すれば日本の大学の受験資格を得られる学校もあるようです。
また、国際バカロレア資格をとれば受験できる大学も増えてきました。
いずれにせよ、インターナショナルスクールで高校を卒業する場合、大学に進学するにはかなり勉強して結果を出さないといけないことがわかりました。
いっそのこと海外の高校へ進学するという選択肢もあります。それはそれで、親としては覚悟が要りますよね。
小中学校は義務教育なので、転校することも可能ですが、高校受験、大学受験となった時、日本の学校を受験する資格がないとみなされるケースもあるのです。
せっかく英語能力や発表能力を身につけ、個性を生かした教育をうけてきても、日本の学校から門前払いされてしまうなんて、これも大きなデメリットですね。
大学では、特に理系への進学が難しいとの声がありました。算数や数学はそれなりに自分で勉強しないといけないということでしょうね。
子供が進学するインターナショナルスクールのことを事前に十分調べておかない親は、受験でつまづいて後悔することでしょう。
親も英語が求められる?
親は英語ができないから、子供には、という思いでインターナショナルスクールを選んだのに、学校からのお知らせがすべて英語ということもあります。
子供の学校生活に関わることを英語で説明をうけたり、連絡が英語だったりするので、まったく英語のできない親は困るかもしれません。
長期休暇はどうする?
夏休みは3か月ほどあり、その間、日本の学校のようにたくさんの宿題が出されるということはありません。
子供の英語力を低下させないためにどうするのか、3か月もの間、家庭でどう過ごさせるのかを考えなくてはいけません。
サマースクールに行かせるにしても、お金がかかります。
親はなかなか長期のお休みはとれませんよね。これは案外悩ましいことではないでしょうか?
日本人にとって3か月はかなり長く感じるし、その間ずっと子供の勉強や生活を見ているのはとても大変だという親の声がありました。
地元とのつながりが薄くなる
日本には、遠くの親戚より近くの他人ということわざがあります。今でも、近所づきあいは大切と考えている人は多いのではないでしょうか。
ずっとインターナショナルスクールに通うことになると、近所のお友達との接点があまりありません。
地元とは関係なく、世界に大きく羽ばたくことを親も子も望むのであれば、これはデメリットとは言えません。
しかし、結果的に地元で生活することになった場合、溶け込むのに時間がかかることになります。
特に自営業者の方はお付き合いが大切なので、こんなはずじゃなかったと後悔するケースもあるかもしれません。
インターナショナルスクールを後悔しない予防策は?
インターナショナルスクールは、後悔することが多すぎるからやめておいた方がいいのでしょうか?
私の友人はたくさんのインターナショナルスクールのメリットを挙げてきました。
メリットを理解すれば後悔しないための予防策になるのではないでしょうか?
インターナショナルスクールのメリットは⁈
インターナショナルスクールの後悔する点を紹介しましたが、メリットだってあります。メリットについて挙げてみました。
親はたいてい、英語ができなくて後悔した経験を持っています。英語が必要だとわかっていても、英語の勉強の成果が出なくて後悔してきたのです。
インターナショナルスクールなら子供は自然に英語が身につくからね‼
英語で何年も学ぶのだから、英語力が付くのは当然ですよね。でも、それだけじゃありません。
英語以外の言語も習得するのが早くなります。インターナショナルスクールには小学校高学年で第二外国語を学ぶところもあります。
文法の仕組みが英語とよくにている言語はたくさんあります。だから、英語をマスターしたら次の言語を勉強するにも取り掛かりやすいのです。
日本の学生がいくら放課後に英語の塾や英会話教室に通っても、英語を聞き話す時間はインターナショナルスクールの生徒にはかないません。
やはり語学力が付くのは一番のメリットですよね。
インターナショナルスクールは、元は日本に駐在する外国人のために作られた教育施設です。基本的に英語を使いますが、いろいろな国の子供たちが通ってくる所です。
ですから、バックグラウンドが違って当たり前。そういうところで何年も学べば、相手を理解し、自分のことを理解してもらう努力を自然とするようになります。
お友達もグローバルですよね。どこかで仕入れた情報ではなく、目の前の友達の話として、外国の習慣を知ることができるのです。
小さいときにこんな経験ができるのは間違いなくメリット言えるでしょう。
インターナショナルスクールのクラスは比較的少人数です。先生は1人1人丁寧に教えてくれます。
ですから、小さいときからタブレットを勉強の道具として使いこなしています。こういうスキルはグローバルな集団では必須ですよね。
ICT(Information and Communication Technology)教育が進んでいるおかげで、インターナショナルスクールではコロナ禍の影響はあまり大きくなかったとか。
もちろん、対面授業の方が自然なのですが、日ごろからICTを使っているおかげで、リモートの授業も特に目新しいものではないのです。
これは日本の学校からするとうらやましいですよね。
日本の学校の授業風景は、先生がしゃべって、生徒は板書をノートに写すというイメージではないでしょうか。
インターナショナルスクールでは、先生は課題を出して生徒はそれを自分で調べていって、レポートをまとめるというスタイルです。
授業が受動的ではなく能動的ですね。自分で考えて調べていくということは、人のことを真似しても仕方ないということですよね。
そういう探求型の学習は、生徒の自主性を育てることになります。これは、右へ倣えという日本式の教育とは大きく異なります。
子供たちは自分が調べたことを発表する機会を与えられます。テーマを自分が調べておしまいではなく、ほかの人の感想や意見を聞きます。
そのためには、どうすればわかってもらえるかを工夫することになります。
写真や図やグラフを使うでしょうし、どんな順序で発表すれば効果的か、注意を引き付ける発表はどうすればいいかなどを工夫します。
小さいときからそうした経験をするということは、大人になってからもきっと役に立ちますよね。
私はプレゼンとか、相手にわかりやすく伝えることが苦手です。小さいときからこんな環境で学ぶことができるなんて、すごくうらやましく感じました。
これもやはり、メリットの一つでしょう。
英語もできる、発表力もある、その上学力もあるとなれば、海外の大学に進学することは自然な流れですよね。
IB(国際バカロレア)資格を取れるインターナショナルスクールなら、そこでIB資格をとれば、海外の有名大学へも進学できるでしょう。
また、IB資格を取れば、国立を含む日本の有名大学も受験可能です。
ただ、IB資格を取ることはとてもハードルが高く、かなり勉強する必要があります。
後悔しないための予防策は?
日本の学校にはない魅力もあるインターナショナルスクール。それを十分に生かし、後悔しないための予防策を話し合いました。
- 教育資金は十分あるかを考えて、無理なようなら最初から日本の学校を選ぶ
- インターナショナルスクールを選んでも、日本語はしっかり勉強させる
- 幼稚園だけインターナショナルスクールの場合は、英語力は消えることを覚悟し、異文化交流できる子供の経験を重視した方が良い
- インターナショナルスクールを選ぶとき卒業生の進路までしっかり調べておく
- 子供の個性を重視し、インターナショナルスクールがその子にあっているか親が適切に判断する。
私の友人とは以上のような結論を出しました。友人もただ、「いいなぁ~」だけではなく、いい面も悪い面も知ることができて喜んでいました。
友人はまだインターナショナルスクールを選ぶかどうか決めてはいないけれど、後悔しないための予防策を考えられたことは大きかったと言っていましたよ。
実はその後、英語で仕事をしている人と会う機会があり、インターナショナルスクールのことを話しました。
その方が言っていたことがとても深かったので、もう少し付け加えさせてください。
その人が言っていたのは、以下の通りです。
- 英語で仕事をするためには、英語が使えるだけではなく、英語以外の専門的な知識や資格を身につけること。
- 発音はあまり気にしなくてもいい。きちんとした英語を使えることが大切。
- 聞く、話す力が重視されるが、読む、書く力がなければ論外。早く正確に読み取る力は必須。
なるほどなと思いました。英語を使って活躍するためには、能力も努力も必要なんですね。
これらのことを把握したうえでインターナショナルスクールを選ぶなら、後悔を防ぐ予防策になると思いますよ!
まとめ
インターナショナルスクールを後悔しないための話し合いをまとめてみました。
- インターナショナルスクールは「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」学校
- インターナショナルスクールはほとんどが日本では学校として認められていない
- 幼稚園での英語は消えてしまうと覚悟する
- 高額な学費、ダブルリミテッド、進学先が限られるなどのデメリットがある
- 語学力、異文化交流、自主性を伸ばすなどのメリットがある
- デメリットをしっかり把握したうえで選べば後悔することが少ない
親は何よりも子供ファーストで、そこが子供にとってふさわしい環境かを考える必要がありますね。
子供が小さくてもしっかりと向き合い気持ちを汲み取ってあげれば、後悔はしないだろうと思いました。
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